太陽光の第5回入札結果は27件40MWと低調に

 一般社団法人・低炭素投資促進機構は2020年1月20日、太陽光発電(500kW以上の高圧・特別高圧連系案件)を対象にした第5回入札(令和元年度下期)の結果を公表した。非公表だった上限価格は、13.00円/kWhだった(図)。

 


図 太陽光第5回入札(令和元年度下期)の結果(出所:経済産業省)

 

 落札されたのは27件で、最低落札価格は10.99円/kWh、最高落札価格は13.00円/kWh、加重平均落札価格は12.57円/kWhだった。最低価格は前回の10.50円/kWhから0.49円上がった一方、加重平均落札価格は前回の12.98円/kWhから0.41円下がった。

 

今回の入札での募集容量(入札量)は416.1918MWだったが、札を入れたのは72件の合計出力185.6345MWで、大幅に募集容量を下回った。その結果、落札されたのは、非公開の上限価格(13.00円/kWh)を下回った27件・合計出力39.8183MWに留まった。

 

逆に言うと、入札件数の約6割に当たる45件(合計出力145.8162MW)は、上限価格を上回る13円台の札を入れたことになる。多くの事業者が、「上限価格を読み違えた」とも言えるが、現実には、「投資収益性を確保するためのコストダウンが限界に近付いてきた」面が強いと言えそうだ。これは、今回の最低落札価格が前回よりも上がったことからも、容易に推察される。

 

今回、加重平均落札価格が0.41円下がったのは、落札上限を前回の14円から13円に引き下げたために13円台の落札がなかったからで、全入札の加重平均価格は、前回の13.46円/kWhから13.38円/kWhにわずか0.08円下がったに過ぎない。

 

今回の入札では、入札参加資格の審査のために提出された件数は110件(合計410.5413MW)に達しており、募集容量とほぼ同じ程度の容量だった。このうち、参加資格を得たのが88件(合計出力324.2027MW)で、さらに実際に札を入れたのは72件(合計出力185.6345MW)まで減った。

 

入札結果の発表を受けて、2020年1月22日に開催された調達価格等算定委員会では、落札案件の分布図を公開した。それを見ると、特別高圧送電線に連系する大規模プロジェクトは4件が入札したが、すべて上限価格(13円/kWh)を上回ったため、不落となった。逆に、今年度から新たに入札対象範囲となった500kW~2MWの規模で、特に入札価格の低い案件が見られた。

 

太陽光発電の発電コストは、従来、大規模化することで、発電量(kWh)当りのコストを下げていくという流れにあったが、今回の結果を見る限り、比較的、小規模な案件で価格低下が進んでいる様子がうかがわれる。

(日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ)

 


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