2020年度の事業用太陽光の買取価格、低圧余剰は13円、高圧は12円に

 再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)の調達価格(買取価格)を討議する調達価格等算定委員会(以下、算定委)が2月4日に開催され、2020年度(令和2年度)・認定分の買取価格について、委員長案が示された。

 

 太陽光については、10kW未満の住宅用(余剰売電)が2019年度・24円/kWhから21円/kWhに3円引き下げ、10kW以上50kW未満の低圧事業用(余剰売電)が同・14円/kWhから13円/kWhに1円引き下げ、50kW以上250kWの高圧(全量売電)が同・14円/kWhから12円/kWhに2円の引き下げ、との内容だった。250kW以上は、入札対象となる。

 

 算定委の全委員から、この委員長案に対して異論がなかったことから、事実上、次年度に認定された太陽光発電の案件は、これらの買取価格が適用されることになる。

 

 FIT抜本見直しの内容を2020年度から前倒しで適用された低圧事業用太陽光(10kW以上50kW未満)は、30%以上の自家消費と停電時の自立運転機能が必須となった。

 

 これまで事業用太陽光の価格算定にあたっては、50kW以上の高圧案件のシステム費用を集計してトップランナー方式で算定条件を決めてきたが、今回、低圧事業用が別区分になったことから、同区分については10kW以上を含めてシステム費用を集計した。

 

 その結果、低圧事業用太陽光のシステム費用は21.2万円/kWを算定条件とし、50kW以上250kWの高圧太陽光のシステム費用の14.2万円/kWよりも高いコストが適用された。これに加え低圧事業用太陽光は、0.3万円/kWの自立運転機能のコストが加算された。これらのコストアップが自家消費の便益を上回ったことから、全量売電が前提の50kW以上250kWの高圧太陽光よりも1円高い買取価格となった(図1、2)。

 


図1 50kW以上のシステム費用の分布(単位・万円/kW)。トップランナー方式で50~250kWの太陽光では「13%・14.2万円」を採用(出所:経済産業省

 


図2 10kW以上のシステム費用の分布(単位・万円/kW)。トップランナー方式で10~50kWの太陽光では「21%・21.15万円」を採用(出所:経済産業省)

 

 2020年度は、入札対象が2019年度の「500kW以上」から、「250kW以上」に広げられるため、今回、事実上決まった高圧太陽光向けの「12円/kWh」が適用されるのはかなり限定され、事業用太陽光の主戦場は入札スキームとなる。

 

 入札スキームでは、非公開で設定される「上限価格」が大きな影響を持つ。前回の入札では、入札外の高圧太陽光に適用される買取価格が14円/kWのなか、上限価格には13円/kWが設定された。2020年度は入札外の高圧案件が12円/kWとなったことから、入札の上限価格も12円/kW以下になるのがほぼ確実だ。

(日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ)

 


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