新エネ財団が「発電側課金」「ノンファーム接続」で提言

経済産業省の所管する一般財団法人・新エネルギー財団は5月7日、「新エネルギーの導入促進に関する提言」を公表した。太陽光発電に関する提言のなかで、2023年度の導入予定になっている「発電側課金(発電側基本料金)」や、基幹送電線での導入が始まった「ノンファーム接続」などに関する提言を折り込んだ。

 

 発電側課金に関しては、「新しい系統アクセスと運用ルールに整合した制度設計を開始すべき」とし、設備利用率の低い太陽光発電に対して、不利な課金の仕組みを再検討するように求めた。「発電側課金」は、電力系統の送配電設備の維持・増設に要する原資を発電設備に課金するもの。現在は、託送料金に含めて電力需要家が支払い、電気料金で必要な原資を集める仕組みになっている。

 

 当初、経産省が公表した発電側課金の案では、電源が系統に連系する最大出力(契約kW)に応じて、発電事業者に課金する仕組みだった。この場合、送電量単位(kWh)当たりの負担に換算すると、設備利用率が低い電源の負担が大きくなる。例えば、設備利用率14%の太陽光で1.45円/kWhなのに対し、同26%の風力では0.95円/kWhに減り、同78%のバイオマスでは0.40円/kWhに留まる。

 

 こうした考え方の背景には、従来の系統アクセスの原則では、電源の契約kW分だけ常時、系統容量を押さえているという背景があった。だが、ここにきて、系統混雑時には出力を抑制する「ノンファーム接続」の導入が始まっており、常に契約kW分の系統を押さえていない形での系統アクセス・運用ルールの適用が予定されている。

 

 今回の提言での「新しい系統アクセスと運用ルールに整合した制度設計を開始すべき」というのはこうした状況変化を踏まえている。実は、こうした指摘は、昨年梶山経産大臣からも要請があり、経産省は、発電側課金の見直し案を公表している。それによると契約kWに加え、実際に送電する電力量(kWh)も考慮するとし、「kW課金とkWh課金の比率を1対1として(発電側課金制度を)始める」としている(図)。経産省は、見直し案に基づく太陽光への課金額は1.45円/kWhから0.97円/kWhに、風力は0.95円/kWhから0.72円/kWhに軽減されるとのイメージを公表している。

 

図 発電側課金の見直し案で、「kW課金」と「kWh課金」を組み合わせた(出所:経済産業省)

 

 新エネ財団の提言はこうした方向性を支持した上で、ノンファーム接続の適用範囲を配電系統にまで拡大することを求めている。

 

 現在、ノンファーム接続に関しては、基幹送電系統での導入が決まり募集が始まっている。さらに東京電力パワーグリッドは、ローカル送電系統にも試行的に導入すると公表している。配電系統への拡大は、さらに適用エリアが小さくなり需給管理の難易度が高まるなど技術的な課題がある。ただ、小規模の再エネ事業者などからの要望は大きく、今回の提言でもそうした声を反映したものと見られる。(日経BP総研 クリーテックラボ)

 


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